地獄からのメッセージ
脂汗が出そうに成るのを我慢し、涼しい顔を装い、
『判った!あれは、俺しか知らない秘密の隠し場所にある。
そこは、俺が手に入れた拳銃の試射場で、訪れる人が殆ど入ってこない山の中だ。
ここからだと、今日中には行けないが、明日の朝一番から出発すれば、夕方には着く筈だ。
其処は、仮に人が入って来ても、絶対に目に付かない所に隠していて、周りには罠も仕掛けているので、俺が行かなければアレは取れないようになっているんだ。
あんたなら俺が用意周到なのを知っているから、信じてくれる筈だ。』
『あぁ、信じるとも!
しかし、其処には今から取りに行く。
そして、お前が言う通りに有って、手に入れることが出来て、初めてお前を仲間に向かい入れよう!』
そう言って、チンピラに命じて俺はやっと手足を自由に動かせるようになった。
しかし、俺は直ぐに反撃を企てるような浅はかな行動には出ない。
何故なら、一人はH&KのMP5A3を手にしている。
SWAT等、世界の特殊部隊で使用されているサブマシンガンで、海上保安庁も使用している。
口径9mmで、装弾数は30発の優れものである。
そしてもう一人は、S&WのM586を俺の頭に狙いをつけている。
口径357のマグナムで装弾数は6発だが、頭を射抜けば一発で事足りる威力の持ち主だ。
俺は、用心しながらゆっくりと台から降りて、促されるように隣りの部屋に連れて行かれた。
其処には、20畳ほどの広間が有り、其処の隅にあるソファーに座らされて、後ろから先程のチンピラがS&WのM586 を後頭部に押し当てて来た。