地獄からのメッセージ
暫らくするとやっと辿り着いた一行を見て、それからまた俺は降って行った。
するとまた、彼等との距離が50m程開いた。
その内俺は、先に沢に辿り着いた。
何時の間にか彼等との距離は200mにも及んだ。
俺は大声で、
『お~い!沢に着いたぞ!
下で待っているから、気を付けて降りて来いよ!』
と言って安心させ、急いで自分が隠している拳銃の場所まで走った。
ここからだと死角になるので、俺の行動は見えない筈だ。
そして、大きな杉の木の根元を掘り起こし、ビニール袋に入った油紙で覆われた物を取り出した。
その包みを開けると、ベレッタM92-Fが現れてきた。
口径9mm・装弾数15発の優れものでアメリカの警察なんかが使っているやつだ。
それを速やかに点検し、弾を充填するとそれを背中のズボンの中に差し込んで上着で覆い隠した。
そして何食わぬ顔で沢の水で手を洗い序でに顔も洗った。
そうしていると連中がやっとの思いで降りて来た。
『大丈夫か?かなりの急斜面だったが良く降りて来れたもんだ!
中々総督の部下も大したもんだ!
それじゃ、ここから沢に平行に少し上流に登って行くが、途中トラップを仕掛けてあるのを、排除しながら行かなければ成らないので、俺より先に行かない方が良いぜ!
怪我したくなかったら。
俺より10mくらい離れていればトバッチリを食わなくて済むぜ!
なぁに、心配しなくても逃げやしないさ。
こんな山の中で逃げても、凍え死ぬだけだって事は俺様が一番良く知っているからな。』
と言って、先頭に立って歩き出しどうやって始末するか考えていたが、途中に有る、イノシシを捕まえる為に掘って置いた落とし穴に誘い込む事にした。