地獄からのメッセージ




俺は苦笑してもう一度表に回りドアを叩いた。


『チュンカップ!』
(どうぞ!)


中から声が聞こえ、それでも一応用心しながら入った。


其処には、俺が頼んでおいた全ての物が揃っていた。密売人が、

『タンモット ディ ティッスッド.アオ ターン イグ ノーイ ナ.』
(全て素晴らしい物ばかりだ。もっと銭を下さいよ。)


と困惑顔をこっちに向けてきた。


俺は、


『タウライ?』(幾らだ!)


と言うと、30,000バーツは欲しいと言って来た。


もし、本当にこれを購入しようと思えば、こんな金額じゃとても手に入らないくらいの安値である。


俺は、プラディットに50,000バーツ渡しているので、その中から払えばと言うと、所詮これも軍からの横流しか盗品だから、公に出来ない分もっと安くなるはずだと言ってガンとして譲らない。


仕方ないので、言い値で買うからその分何か付けろと言うと、リモコン式の起爆装置と威力の大きな最新型の起爆性に優れたプラスティック爆弾UZ-450DD型を取り出してきた。


これは素晴らしいと口笛を吹きそれを手にしてみた。


リモコンは超小型軽量の物で、プラスティック爆弾に差し込んだ信管に特殊信号を送り爆破する仕組みになっている。


その信管もマッチ棒ほどのものを差し込むだけで、これなら至る所で使う事が出来る。


それらを全て分解して中に異常が無いかどうか調べ、もう一度組み立てなおし、持ってきた大きなバッグに次々と仕舞っていき、弾薬も頼んでいた量の倍以上購入し、それらも仕舞っていった。


最後にS&Wの38口径リヴォルヴァーだけサイレンサーを取り付け、弾を込めてセーフティロックを掛けて左の胸に取り付けたホルスターに仕舞った。


俺は彼等と別れを告げて其処を出て行った。


時計は午前3時を指していた。いよいよ明日はホアヒンへ出発だ。


俺は近くの安ホテルを探し、一眠りする事にした。
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