地獄からのメッセージ




そこは、なんと道沿いに屋台が建ち並び、地元の労働者達が集まって来る所であった。


タクシーのドライバアーが、


『ナイハン ヒュー カオ レーオ、キン デゥアイ ナ クラップ!』
(社長さん、お腹空いたよ、一緒に飯にしましょうや!)


と、にこやかに言ってきたので指でOKとサインを出し、それをルームミラーで確認したのか一軒の屋台の前でタクシーを止めた。


緊張しすぎて勘ぐり過ぎていた自分に思わず苦笑してしまった私は、そのドライバーと共にタクシーから降りて、一番近いテーブルに腰掛けた。


チキンと野菜を煮込んでご飯の上にぶっ掛けたものと、ミネラルウォーターを持ってそのドライバーは戻って来た。


どうやら、ここも華僑が仕切っているみたいで、中華風の料理が多く目に付いた。


ついでに豚の耳をチャーシューの様に焼いているのが目に止まり、それも持ってこさせた。


タクシードライバーは食べながら、時計に目をやり後1時間少々で着くと言ってきた。


頭の中で、これからの構想を練り上げていたが、ドライバーが、


『タンマイ パイ ホアヒン ナ クラップ?パイティアオ ルーパオ ナ クラップ?』
(どうしてホアヒンに行かれるんですか?観光ですか?)


と聞いてきた。俺は、


『チャイ チャイ、ミー プージン スーワイ ヨッヨ チャイマイ?』
(そうだ、メチャ別嬪が揃ってるって聞いてきたがそうなのか?)


と、ふざけて見せて誤魔化した。


そしたら、ドライバーが好色そうな顔つきになり、女を世話しようかと持ち掛けてきたが、自分で探すからと断ったら、少し寂しそうな顔をした。


ホアヒンは、バンコクから約200km南へ行った所にある。


ハイウェイを使えば3時間程で着くのだが、一般道を走っているので、大よそ4時間半は掛かる。


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