地獄からのメッセージ
少し仮眠を取り夜に備えた。
それでも完全熟睡をする事無く、寝ていても仮に鍵を使ってソーッと忍び込もうとしても、その異変に気付く事が出来る程、神経は研ぎ澄まされていた。
夜9時になり静かに目を覚ました。
それでも直ぐに目を開けることはしないで、耳に神経を集中させた。
しかしながら何の異変も感じ取る事は無かった。
未だ今の所は安全らしいと心の中で苦笑しながら起き上がった。
シャワーを終え、身支度をしてカジノに向かった。
其処は、優に500坪は有ろうかと言う広さで、ルーレット、バカラ、ポーカー等が置かれてあった。
俺は、ルーレットの台の一つに向かい、開いていた椅子に腰掛けた。
暫く出目を見ていたが、懐から1000ドル紙幣を取り出し、チップと交換して貰った。
適当に番号の上にチップを置き、勝っては負けを繰り返したが、最終的に5000ドルの儲けになった。
ディーラーに、幾分かのチップを度々渡していたのが効いたのか、大きく張った時に出して貰ったみたいである。
欲を張らずに切り上げ、現金に換金しにカジノの隅にある換金所へ向かった。
そこで、監視カメラの位置を確認していき、天井に付いたその物ずばりの監視カメラと、照明の中に隠された物、スピーカーの中の物、そして壁の装飾品の中に隠しているであろうカメラの、大まかな場所を確認してから立ち去った。
グランドフロア-に行き、ラウンジへ向かい、12年物のバランタインのスコッチをロックで頼み、静かにカジノ襲撃計画の構想を練り上げていった。
それには、まずガスマスクを購入しなければいけないが、そういった特殊な物を店で買うと足がつく。
仕方が無いから軍から拝借する事にした。
ここから、数キロほど行けば国境を警備する軍の施設がある。
其処に忍び込む事にした。