地獄からのメッセージ
銃杷を直ぐ握れるようにベッドの横から少しはみ出させておき、俺はその横に布団を引いてベッドの横で寝れるように準備した。
そして、ベッドにはもう片方のベッドの枕と共に人型に並べ掛け布団を掛けた。
次にドアのロックをチェーンロックと共に確認し直し、ドアの上に爪楊枝ほどのピンの付いたキーホルダーを差し込んだ。
誰かがドアロックを開けて、少しでも開くとそのキーホルダーが落ち、下に置いてあるホテルの大きな灰皿の中に音を立てて落ちてしまう仕掛けである。
其処までしてから、ドアから死角になる、ベッドの反対側の床に寝転がった。
既に深夜の3時を廻っていた。次第に力が抜けていき、眠りに入っていった。
翌朝、俺は何事も無かった事を確認してホッと一息付いてからシャワー室に入った。
身支度を済ませ、ホルスターとS&Wの38口径リヴォルヴァーをバッグにしまい元の場所に戻した。
部屋を出て、エレベーターでグランドフロア―に降りレストランに入った。
其処では、バイキングが行われており、少し遅めの朝食を済ませた。
その後フロントインフォメーションで、レンタカーの手続きをして数分待った。
フロントの人間が遣って来て表に車が用意できた事を知らせてくれた。
チップを渡し、表に止まっている頼んでおいた4WDの日本車に乗り込んだ。
街を探索しながら、地形を覚えた。
逃走経路を知って置かなければいけないからである。
いよいよ、作戦開始である。
深夜になって、昼間覚えた道を北に進みバタワーズの手前まで来ていた。
其処から慎重に車を走らせ、不信な車だと止められないよう配慮しながら、漸く軍の施設の直ぐ近くまで遣って来た。