地獄からのメッセージ




小型の携帯ペンライトで中を照らすと、奥の棚に手榴弾や拳銃、358の実弾、44マグナムの物も有った。


それらをナップサックに放り込み、隣に通じる扉のノブを廻した。


開いていた。隣には軍備室があり、ホルスターやガスマスク、それに伸び縮み式の金属製の警防やブラックジャックなども置いてあった。


それらも戴き、先ほどの部屋をもう一度見渡したら、催涙弾が有るのに気付いた。


それもナップダックに押し込み、目的は全て達成された。


素早くそれらを背負い、部屋の外の音に耳を集中させた。


遠くの方で騒ぐ声は聞こえるが、直ぐ外は大丈夫みたいである。


ドアをソーっと開け、柄の付いた鏡で外の様子を伺った。


左右どちらにも人影は無い様で、ライトを消して一気に外へ飛び出した。


元来た廊下を後戻りして、侵入してきたドアまで辿り着いた。


外の方は大分落ち着いたみたいだが、それでも、時たま叫ぶ声が聞こえたりしてくる。


ドアの隙間から、庭の様子を見てみたが、全員外で爆発した車を眺めている。


呑気なもんである。


俺は庭の植え込みを利用しながら、先ほどの塀まで遣ってきた。


丁度、塀の外へ出たときに電気が点けられた。


口々に爆発の影響で電気が落ちたんだと言い合っているが、なぜ車が爆発したんだろうかと疑問を持った奴はどうやら居ないらしい。


俺は悠々と其処から離れ、ホテルに戻った。


もう明け方近くになっていた。


俺は、近くの深夜まで開いているバーに入り、カティの8年物をロックで飲み干し数分後カウンターに200バーツを置き部屋に戻った。

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