地獄からのメッセージ
彼女は、事務用の制服を脱ぎすて、エプロンをつけた。
自分の服とトランクを素早くカートの中に隠し、俺はタイ人のポーターの服に着替えた。
そして、ゴミを出す小さな扉から無事脱出した俺達は、そのまま近くに止めてあったあらかじめ用意してあった車の中に滑り込んだ。
素早くエンジンをかけ、俺達は一路チャアムへと向った。
そこには、ピアット一族の内のひとり、実弟のロングが住んでいるのである。
その近くに宿をとって次の攻撃を仕掛けるのである。
遠回りしながら、3時間近く掛けてチャアムの町についた。
そこで一番目立ちにくいラブホテルに泊まることに決めた。
その中に荷物を運び込み、明日の朝まで起こさないでくれとフロントにウインクをして見せ、チップに100バーツ握らせた。
ホテルの主人は下非た笑いを見せながら、奥に消えていった。
部屋の中に入ってすぐにトランクを開けてみた。
女は狂気した様なお顔つきでお金を鷲掴みにして、
『一体幾らあるか検討もつかないよ!これが全部私達の物なんだよね!?』
と言い出した。
俺は、無言でトランクの中のお金を整理して、数え上げた。
全部で1000万バーツ程有った。
日本円にして一億くらいである。