地獄からのメッセージ
俺は、この女に100万バーツを渡して、
『これで田舎にでも何処にでも行きな!
ひょっとしたらカジノの中の防犯カメラにお前の顔も俺の顔も映っているかもしれない。
ピアット一族に追い詰められて恥辱を受けながら半殺しにされるかもしれない!』
と言うと、彼女は笑い出して、
『あの時、1回目の非常ベルが鳴った時、私は、ひょっとしたら10万バーツくらいネコババ出来るかなって考えたのさ。
いつも、そんな事ばっかり考えて仕事してるんだけどね!
それで、皆が一斉に外に出て行きだしたときに、一緒に居た同僚に
“ヤバイヨ!もしかしたら火事で焼け死んでしまうかもしれない。
私がガードマンと、ここのお金を運び出しておくから早く逃げなよ!”
って追い出して、直ぐに防犯カメラの電源を落としておいたのさ。
だから大丈夫。ガードマンが2人も倒れているのを見たら、まさか私の仕業とは思わないだろう。
そこへあんたが来たから渡りに船で付いて来たんだよ。』
と言いながら、これからどうしようかなぁと思案するような趣を漂わせながら、俺の顔をじっと見てきた。