地獄からのメッセージ
チャアムから北へ暫く車を走らせると、ピアットの実弟のロングが住む屋敷が近ずいてきた。
俺はその近くの茂みに車を止めて様子を伺った。
が、全く騒ぎにはなっていなかった。
が油断は出来ない。
全神経を屋敷に向けて、変わった事が無いか探ってみた。
すると、良く見ると屋敷の回りに隠れるように数人の男達が手に拳銃やライフルなどを持って隠れていた。迂闊に飛び込んだら蜂の巣にされる所であった。
俺は、車の中にあるバッグから手榴弾を30個ほど体に装着した。
そして、腰にジャックナイフを差込み、そっと車から降りた。
茂みを利用して彼らの死角に成りながら屋敷の近くに忍び寄った。
耳を澄ますと、警備の男達は口々に苛立ちを言葉荒げて吐き出している。
何時何処から現れるかもしれない恐怖と、眠さを誤魔化す為でも有ろう。
俺は、彼らが油断しているところ目掛けて、一気に手榴弾を数個転がした。
数秒たって大爆音と共に数人が吹っ飛んだ。
何事が起きたのか判らず、意表を突かれた感じで残った警備の男達は、手に手に拳銃を発射させた。
見当違いの方向に打ち込んでいる奴等を、冷ややかな目で見据え、残りの男達を、手にしたS&Wの38口径リヴォルヴァーにサイレンサーを取り付けたもので、確実に狙いを定め倒していった。
サイレンサーのお蔭で、何処から打って来たのか全く気付かれずに済んだ。
10分もしたところで、静かになった。
裏口から侵入して、隠れている男達を次々に片付けて行き、3階にあるロングの部屋の前にきた。