地獄からのメッセージ
思った通り、彼等は本社ビルに入って行った。
裏口の警備の人間も直ぐに気が付き、扉を開けた。
俺は、以前忍び込んだ3階のトイレの窓から入ることにした。
残念ながら、以前壊しておいた窓ガラスは直されていたし、窓にもロックが掛かっていた。
そのまま4階の窓まで這い上がり、調べてみたが、やはりロックされていた。
大分暴れまわったから、彼等も用心しているみたいだ。
仕方ないので、肘を使ってガラスを割る事にした。
出来るだけ小さな音で窓ガラスを割るのは大変であったが、数回エルボを叩き付けるとガラスはヒビが入った。
それを上手に引き抜いていき、窓のロックを外した。
窓を開けて忍び込んだトイレを抜け出し、22階にある社長室に行こうとした瞬間、突然廊下の明かりが付き、屈強な体つきのガードマンが3人立ちはだかってきた。
なんと、トイレにも監視カメラがあり、窓にはセキュリティーの警報機が取り付けられていたのだ。
仕方が無いので、彼らを、腰にさしていたベレッタで打ち抜こうをしたが、その瞬間後ろから遣って来た数人のボディーガードに後頭部を殴りつけられてしまった。
薄れていく意識の中で、もがきながらパンチを繰り出したが、相手に当たる前に廊下に崩れていってしまった。
いきなり、冷たい感覚に襲われて目が覚めた。
どうやら水をかけられたらしい。
俺は、見覚えのある社長室の、じゅうたんの上に縛り上げられて横にされていた。
そこに日垣社長が遣って来て、いきなり俺の横腹に蹴りを入れてきた。
『貴様が我々の計画の邪魔をしている奴だな!
貴様のせいで、我々の被害は莫大な物だ!
おまけに仲間を片っ端から殺していくなんて、貴様は一体何者だ!』
怒りに狂った様な顔を真っ赤にしてたたみ掛けて来た。
俺は、苦痛に歪ませた顔のまま、上から覗き込む日垣社長を睨み付けた。