地獄からのメッセージ
捻り出すような声を、喉の奥から搾り出して
『俺は、以前タイの工場が内乱に巻き込まれた時、あそこで働いていたんだ。
俺自身大怪我をしたし、友人の何人かはあの時命を落としていったんだ。
その中には妹の恋人もいた。
頭に来た俺は、妹から電話が掛かって来た時に約束した。
必ず復讐すると!
あの後、妹は彼の後を追って自殺してしまった。
俺の唯一の肉親の妹が!
それから、俺は自分の力で今回の本当のターゲットを探した。
そしてお前に行き当たったのだ。
復讐するチャンスを伺いながら、お前達の手足をもぎ取って行き、やっとここまで来たんだ。
まさか捕まるとは思わずにナ!』
『それは残念だったな!お前は今から死んでもらう事になるから、まだお前が知らない事を教えてやる。
この会社はな、表向きは家電や工業用電気機器を扱っているが、その他にもアジア各国で、工場を創る為に切り開いた山々から伐採した木材の輸入や、工場で作ったコンピューターの基盤に日本政府の情報を隠して、各国に機密情報をリークして儲けさせて貰っていたんだよ。
お前等が組み込んだパーツの一つは我々が用意したマイクロフィルム入りのイミテーションパーツだったと言うわけだ。
お蔭で、外務省の俺の仲間共々大儲けさせて貰ったよ。
後は、一部の工場で、俺様の部下が戦争屋に売る為の武器工場を作り、そこで作った武器を各国に売りつけると言う訳に成っていて、その対戦国にも売りつけるのさ。
兎に角、戦争が起これば俺たちは儲かる様に成っていた。
その幾つかを、お前に壊されて大損をしてしまったのだ。
しかし、良くも大暴れしてくれたもんだな!
この借りはキッチリ付けて貰うとして、他にもいい事を教えてやろう。