地獄からのメッセージ








車が止まった


暫くしてトランクが開けられ俺は引きずり出された。着いた場所は相模湖だと言う事は直に分かった。


ここには昔、何度も釣りに来た事が有るからである。


彼等は、俺を地面に引き倒しニヤニヤしながら手に手にサイレンサー付きの拳銃を握っている。


どうやら憂さ晴らしの弾丸を俺に撃ち込んだ後に、重石でもつけて相模湖に沈めるつもりだろう。


俺の背中に、冷たい汗が流れるのを感じながら策を練った。


焦ると考えがまとまらない。


よく目を凝らしてみると、まだセーフティーロックは解除されていないようだ。


どうやら、誰が一番最初に打ち込むかを相談しているみたいだ。


あまり銃になれていないみたいで、ビビリ気味なのが感じ取れた。


手から撃つか、足から撃つか、色々気持ち良く無い相談をしている。


ふと目の前を見ると、コーラのビンの割れた破片が転がっているのが月明かりで光って見えた。


俺は気付かれない様にそっと転がり、後ろ手でそれを拾い、ロープを切る作業を始めた。


暫くしたら、後は力任せに引っ張れば切れる所まで切り目が入った。


後は、彼らの出方次第である。


俺は賭けに出た。


『オイ!いい事を教えてやろう!俺があんた等のボスから盗んだ銭が今では3億を越しているのを知っているかい?

その上、タイではカジノを襲った時のお金も隠してある。

俺は、もうこの件から手を引く。

そして、ノンビリと暮らすから、命を助けてくれ。

そうしたら、俺の隠してあるお金を全てお前達にくれてやる。

お前達だって、ボスにこき使われて、おまけに命を張るほど義理も無いはずだ。

お前達の事は黙っておくし、俺も海外で静かに暮らしてお前達やボスの前に姿を現さないと誓う。

特別ボーナスと言う事で受け取ってくれ。頼む。』


と言うと・・・・・


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