地獄からのメッセージ
そんな事なんか知った事じゃない。俺様はさっさと歩調を進めて、森の中に入って行った。
彼らも慌てて着いて来た。
こうなれば、夜目の利く俺様の方が有利に決まっている。
急に月明かりの届かない森の中に入れば、暗闇に包まれた俺の体にまともに弾をヒットさせられる者はそうざらに居ないだろう。
暫く進むと、俺は、急に歩調を速め闇の中に消えていった。
そして、手ごろな棒切れを探して、暗闇の中で待ち構えた。
彼等は、口々に逃げやがったなぁ!とか、ふざけやがって!とか発しているが、暗闇の中で発砲するのは危険だと分かっているのか撃って来ない。
そして、最初に俺の前に出てきた奴の、向う脛を思いっきり打ち砕き、転倒した奴の手から拳銃をもぎ取った。
ブローニング・ハイパワーMKⅢの40S&W口径タイプの物である。
弾を確認したら13発中13発丸々充填されていた。
トリガーはシングルアクションなので、シンプルで使い易い。
作動形式は、ショート・リコイルのティルト・バレル・ロッキングである。
セーフティーロックは解除されているので、すかさず次に来た奴の頭目掛けて撃った。
命中である。
その後も、次々と倒して、数分で奴等は全滅である。
俺は彼らが乗ってきた車の鍵を探し、(別に無くても問題は無いが)最初に撃った奴のズボンのポケットから見付け出した。
それを手に取り、ついでに奴等の持っていた銃と予備弾倉も頂く事にした。
FNーHPとディリンジャー22口径、それにベレッタのミンクス22口径である。
それらを仕舞い車に向った。
彼らの車の中には、嬉しい事に手榴弾やC4爆弾まで隠してあった。
C4が有るとは思っても見なかった。
これなら有効に使える。
リモートコントロール式の起爆スイッチと、セットで有るのは幸運であった。
俺は、エンジンを掛けて今一度、新宿の本社に戻って行った。