地獄からのメッセージ
どうやら、ここは睨んだ通り会社ぐるみでとんでもない事をやっているみたいだな。
ここから如何にかして彼らを地獄に叩き落す方法はない物だろうか?
そんな事を考えながら、俺は車を発信させた。
それからの俺は、毎日仕事が終わってからアパートの部屋でサイレンサー作りに精を出した。
今有るのは、下二連の超小型ディリンジャー、ベレッタ・ブリガディールの自動拳銃、そして、やはりイタリアのピエトロ・ベレッタ社製のミンクス・モデルの3点と、実包がそれぞれ百発入りの箱が20箱ずつ有る。
これは、日本に帰って来て直ぐに闇のルートで手に入れた物である。
傭兵として働いたお金が役にたったのである。
それぞれの銃に合う消音機を万力と鉄パイプと鑢に小型ボール盤で、器用に出来上がっていく。
さいごにねじ切りをして出来上がりである。
その後、全ての銃を分解して、オイルをふき取り綺麗にもう一度グリースを塗り直してから、1つずつ組み立てていく。
もう何回もしているので、目隠しをしても、2分も有れば組み立てられる。
それを天井裏に隠してから、手を洗い、ベッドに横になった。
天井を見つめながら、先日手に入れたCD-ROMの内容を思い出す。
東南アジア各国の政府と癒着しての裏金工作、日本企業による海外クーデターの誘発と、それに纏わる武器の輸出と言う、戦争屋としての裏の顔を知った俺は必ず日垣グループを潰して、友の墓前に奴の頭を添えてやりたい気持ちに駆られた。
翌日、俺は日垣グループの本社に荷物を送りつけた。その中には、会社から盗み出したフロッピーとCD-R、それに書類を写した写真数枚である。
きっとビックリするであろう。まさか、会社の裏の顔が誰かに知られているが、それが誰だか判らずに。
暫くの間、会社近くには近ずかないようにして、通常の仕事に従事した。
その代わり、電話の内容を盗聴した物を自動的に録音出来るようにした、センサー付きのマイクロカセットをビルの近くの判り難い場所に設置しておいた。
それを、翌日の深夜にそっと取りに行き、家に持って帰った。