失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】
いや…だ
い…や……だ
兄…貴
あに…
たすけ…て
た…す…け…
入れ替わり男たちが僕の身体を犯す
永遠に終わらないかのようなループ
地獄の責め苦…?
いや…これは淫魔のサバト
ありとあらゆる身体の性感が
起こされ弄ばれ増幅される
僕はもう…きっと…人のかたち…を
して…な…い
これから僕は…自分から
欲しがる…のかな
あの頃の兄のよう…に
身体が飢えて…闇を求めるのか…な
一日中…いきりたつ身体の中心を
慰めても慰めても足りなくて
あの男にすがりつくのかな…
僕は…もう…誰とでも…
あに…き
ぼく…は…
あなたの…地獄を…巡る
聖地を経巡る…巡礼…みたいに
あなたの…足跡を…追って
こん…な魔道に…堕ちて…る
そ…う
ぼ…くは…望ん…だ…んだ
あなた…の…全部…見たいと
あな…た…のすべて
いとし…い…と…
だ…から…見せ…て…って…
ぼ…くが…の…ぞん…だ
このみ…ち…あなたも…通った…
僕は…い…ま…それを見て…る
「ああああっ!あああっ!」
「この子…どこまで狂うんだ?」
「あああっ…出るっ…んっんっ」
いま…ぼく…は
あな…たに…なって…る
あなた…の苦し…みを…
こ…う…して…見…て…る
こ…んな…地…獄に…独り…で
「いやあああああっ!」
「ほら…くわえろ」
「奥まで欲しいか」
「あああ…許し…て…いやぁ…」
まわさ…れて
犯され…て
許し…て…と…泣き…叫…ん…で
こう…し…て…見知らぬ…男に
膝ま…づい…て…欲…望を
ぶちまけら…れ…て
それで…も…
生き…て
「ああ…たまらん身体だ…いくらで
も…応えてきて…くわえこんで…
はなさない」
「も…だ…だめ…あっあっあっ!」
「快楽を…植え付けられているんで
すよ…幼い頃からね…呪われて
いるんだ…血が…ね」