失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】





そして当日





「それぞれこの紙に書いてくれ」

僕たちは部室の隅に集まり

ヤツはみんなにメモ帳を破いて

一枚づつ渡した

「書いたらオレにくれ」

ヤツの変なテンションにみんな顔が

にやけていた

絶対うまく行かないって…

僕たちは噴き出しそうになるのを

必死でこらえながら

書いたメモをヤツに戻した

「よし…そろいましたよ」

ヤツは僕たちを黒板の前に呼んだ

「発表する!」

ヤツは紙を開き

それらを読み上げながら

黒板に書いていった

「LOVE!」

「天使!」

「爆裂!」

「Kiss!」 

LOVE 天使 爆裂 Kiss…

黒板に並んだ文字を

ヤツはそのまま叫んだ

「LOVE天使爆裂Kiss?!」

瞬間僕たちは爆死…いや爆笑した

しばらく息も出来ないほど

笑い転げた

「ひーっひーっ…もうやめてー」

「スゴすぎるー!」

メンバー全員が床に倒れこむか又は

机にすがりついていた

「だめだー死ぬー!」

「どんなキスだよ爆裂キスって!」








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