失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】
そうしているうちに、怖さや迷いの
ようなものが消えているのに気付き
みんなで玉久司にお参りに行った時
神様の前で本当に私は先輩の皆さん
に感謝しました。
ですが、あの後の、例の先生の話で
私の心はまた折れそうになりました
また、上手く行ってたものが壊れて
取り返しがつかなくなるかも知れな
い…と。あの時の私の失望感がまた
戻ってきて。でもリーダーは私が
できなかったことをしてくれました
ひとりひとりが納得のいく答えを見
つけるまで、練習しないって。
これが、あの時私がリーダーとして
できなかったことじゃないかって。
私は迷ってるメンバーを信頼しては
いなかったんだな…って。私が説得
すればするほどみんな離れて行って
しまいました。私がひとりで無理に
人を動かそうとしていた。それがそ
の時の私の限界でしたから。
私のあの時の答えは、先輩のその
メールでした。自分達の中の答えを
信じようって。先輩が信じてくれた
自分を信じようって…。私達が5人
目そのものなんだと、その時フッと
答えが来て。
あまり先輩の皆さんに迷惑になって
はいけないし、心配されたくなくて
今まで言わないようにしてきました
が、いろいろありましたよね。
きっと先輩も苦しいこと乗り越えて
みんなここまで来たんですよね。
最後までやりきっただけで悔いが
ないと思ったら、賞が貰えたなんて
乗り越えてきたご褒美をもらったよ
うで、今までの辛かった時のことが
心に迫ってきて、泣いてしまいまし
た。
長々とごめんなさい。でも先輩には
伝えられそうな気がして。文章が
下手で申し訳ありません。
私を気遣って頂きありがとうござい
ました。先輩はいつも優しいので…
ではまた部活で!』