桜空2
あなたを信じたい
――空が女と歩いていた。
信じたくなかったけど…
慎は絶対にこんな冗談は言わない。
空に…直接聞いてみるしかない…よね…
本当は怖いけど…
真実を知る為にはこの方法しかない。
私は勇気を振り絞って空がいるであろう、楓の間に向かった。
――楓の間。
私は扉の前に立つと、深呼吸をした。
そして――
「こんにちわ、空はいるかしら?」
ザザッ!!と楓の間の使用人達は私に頭を下げた。
「はっ、水野様ならあちらに…」
使用人が指したほうを見ると
「桜?どうした?」
そこにはいつもと変わらない空の姿。
変わらず私に優しい笑顔を向けてくれる。