桜空2
「……アイツは…俺を諦めるつもりはないって。はっきりそう言われたんだ」
「……そ…なの…」
私は俯きながら言った。
「でも俺は…アイツがどんなに俺を好きでいようと、その気持ちに答える気なんてこれっぽっちもない。俺は桜しか見えてないから」
「空……」
「お前だけは危険な目に遇わせたりはしない。何がなんでも俺が守るから」
空はそう言うと私を優しく抱き締めた。
私も空の背中に腕を回した。
――そうよね。
空が私以外の女とやましいことなんてするわけないのよね。
私、なんで一瞬でも疑ったりなんてしたのかしら…
「桜……」
空は優しく目を細めると私を捕える。
そして優しく私の唇を塞いだ。
唇から、身体から伝わる熱。
空から伝わってくる全てが熱い。
このまま、一緒に溶け合ってしまいたいくらい。
私は空の背中に回した腕に力を込め、キスを受け止めていた――…