桜空2
「失礼致します。姫様、いらっしゃいますか?」
海が帰ったあと、部屋に1人でいると下働きの蜜(みつ)が外から話してきた。
「いるわよ、入りなさい」
蜜は“失礼します”と言って部屋に入ってきた。
「どうしたの?何か用?」
私は仕事の髪から目を逸らすと、蜜を見た。
蜜はなんだか申し訳なさそうに私を見る。
「姫様・・・・実は門先に姫様に用があるという者が来ていて・・・帰るように促しても帰ろうとしないのです」
私に用がある人・・・・?
佳代・・・・さん?
「蜜、その方は今どこに?」
私は至って冷静に聞く。
佳代さん・・・・
あなたはいったい何がしたいの?