桜空2
「……あのさ、俺も一緒に行っていい?」
「えっ」
「……ダメ?」
空は目を逸らすことなく、見つめてくる。
こんな綺麗な瞳に見つめられたらダメなんて言えるわけないじゃない……
「ん、いいよっ!!一緒に行こ♪」
私は空の手を握ると歩き出した。
「…ありがとな、桜」
私は返事の代わりにニコッと空に微笑みかけた。
これ以上見つめ合ってたらきっと私の顔、タコみたいに真っ赤になっちゃうだろうし!!!
そんなことを考えながらも私は空と一緒に食堂に向かっていた。
――食堂。
食事を終えた剣士や使用人がぞろぞろと部屋から出てきた。
すれ違う度に私に剣士や使用人は一礼をしていった。
ふと奥を見ると、食堂の隅の席でお茶を飲む慎がいた。
「――慎!!」
私の声に気付き、こちらを慎は顔を上げた。
「――姫様…水野様…」
慎は少し驚いた様な表情をした。