桜空2
私達が近くに来ると、慎は頭を下げた。
「ちょっと話がしたくてさー、いいかな?」
慎は少し戸惑ったような顔をした
「……なんでございましょう」
やっぱり。
この子は寂しい子なんだ…
目を見ればわかる。
冷たくて、誰も信じていないような…そんな残酷な瞳。
「……慎はさ、どこから来たの?」
私はさりげなく隣に座ると、質問をぶつけてみた。
空も一緒に座った。
「……大阪でございます」
「大阪!?」
「そりゃあ…はるばる来たなぁ」
空も驚きの様子だ。
「どうして大阪城に仕えずにわざわざこっちに来たの?」
「……あちらは…私の実の父が将軍だからです。私は…大阪の将軍・蓮華正道(れんげまさみち)の実の息子なのです」
えっ……?
蓮華正道…
聞いたことがある。
確か自分の国のためならどんな汚い手も迷わず使うっていう…