桜空2
「私は…あの人のやり方に耐えられませんでした…。自分の為なら迷いもせず人を殺めます。苦しめます。だから私は…っ!!あんな人の次に将軍をするなんてまっぴらでしたからここに…逃げてきたのです」
そう…だったんだ。
だから慎は
自分をひた隠しにして……
回りとも距離を置いていたのね。
「姫様、水野様。どうかこのことは回りの者には言わないで下さい……もしもこのことが外部に漏れるようなことがあれば私は即、大阪城に連れ戻されます…」
慎は弱々しい声で言った。
「言わねぇよ、安心しろ慎。」
空は慎の肩をポンと叩いた。
「そうよ…絶対に言ったりしないわ」
私も優しく言った。
「ありがとうございます…!!」
慎は深く私達に頭を下げた。
慎……。
この子は本当にいい子ね。
ぜひ江戸城にいてもらいたいわ。