桜空2
――…
「……慎…王子様だったのね。」
「あぁ。しかも大阪城だしな…かなり格は高いハズだ」
私達は食堂を後にして、中庭にいた。
「……分かるな。慎の気持ち」
「えっ?」
「……私も…以前までは父が嫌いだったし…将軍になんてなりたくもなかったから。」
「…………」
「でも空に出会えて変わったのよ。姫として…次期将軍として頑張ろうって」
「桜……」
「ありがとね、空!!」
私はとびっきりの笑顔を向けた。
いつもの感謝の気持ちを込めて。
「……やばいな」
「えっ」
空はボソッと呟くと私をグイッと引き寄せた。