桜空2
「――さてと!!出来ましたわ!!」
使用人はあっという間に綺麗にした。
「ありがとう、助かったわ」
「いいえ、とんでもございませんわ…さぁそろそろお時間ですわ。参りましょう、姫様」
「えぇ。分かったわ」
使用人は私の着物のすそを持つと部屋の扉を開けた。
そこには慎と市之助がいた。
「おはようございます姫様!!殿の間までお供させて頂きます!!」
市之助が元気よく言った。
「よろしくお願い致します」
慎が丁寧に頭を下げた。
「ありがとう、2人とも。さぁ行きましょう」
私は慎と市之助と共に殿の間に向かった。
「姫様、今日は頑張って下さいね!!」
「ありがとう市之助。ほんと緊張しててね…」
「姫様なら大丈夫でございますよ。水野様もそう言っておられましたし」
「えっ空が!?」
「はい。失礼ながら“桜ならきっと大丈夫だ'と」
「そっか…」
空も応援してくれてるんだもん!!
頑張らなくちゃ!!
私達は長い長い廊下を進んで行った――…