桜空2
「それでね…っ…さっきの大名が…私と菫っていう人がそっくりだって言うの…お父様も…はぐらかして教えてくれないし…っ…私もうどうしたらいいのか分からない…っ!!」
私は思いきり空に抱き着いた。
空も答えるように私を抱き締め返してくれる。
そんな空に私の涙腺は更に弱くなる。
「……っ…うぅ…」
「……落ち着くまでこうしててやるから。安心しろよ」
空はそれだけ言うともう何も言わずに私を強く、優しく抱き締めていてくれた。
やっぱりこの腕が一番落ち着く。
このぬくもりが一番好き。
もう私は
空なしでは生きていけない。
そう心から思った。
――…
「……っ…」
どれくらい経ったのだろう。
私は空の腕の中で安心感に包まれていた。