桜空2
「……そろそろ落ち着いたか?」
空がとても優しい声で聞いてきた
「ん…もう大丈夫よ…ありがとう」
私はゆっくり空の胸から顔を離した。
「……桜、なんかあったらさ。どんな些細なことでもいいから俺に話せよ。頼むから1人で抱え込むことだけはしないでくれ」
空はとても真剣な眼差しをした。
「うん…ありがとう。助かるよ」
私は俯きながらもそう返した。
たぶん、それが精一杯だったんだと思う。
「ん、いい子♪」
そう言って無邪気に私の頭をクシャクシャと撫でた空。
私は思わず笑みが溢れた。
不安で仕方なかった心が
少しだけ軽くなったような気がしたんだ――…