桜空2

「それにしても桜は剣術が強いわね!!誰に似たのかしら」



海の言葉で“菫'という私の母親らしき人のことを思い出した。



「桜?」



私がボーッとしていたので海が心配そうに見てきた。



私は勇気を振り絞って聞いてみることにした。



「……ねぇ海……」



「ん?」



「…“久喜菫'って人…知ってる?」



私の口から出た人物の名前に海の顔から笑顔が消えた。



「……桜…あなた、その人の名前どこで聞いてきたの?」



「えっ……だ…大名が…酔った勢いで“本当に母上の菫様に似てらっしゃる'って言ってきて…」



私がそう言うと海は呆れたようにため息をついた。



「ったく…あのクソオヤジ…ありえないわ…」



えっ…



海の口からそんな言葉が出るなんて…!!



「…あの…海…?その菫って人…いったい誰なの?」



海は目を閉じて考え込んだ。



お父様といい



海といい…



いったいどうしたっていうの!?



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