桜空2

――成宮家。



「…ここが…成宮家か」



私達は大きな門の前に立った。



「えぇ」



小さい頃はよく遊びに行ってたっけ。



最近じゃ海がうちにくることが多くなってるから全然行かなくなったけれど…



「さ、行こうぜ…って桜。俺も一緒に中入っても大丈夫なのか?」


空が思い出したような顔をした。


「えっ、いいのよ!!空は私の婚約者なんだから成宮家の方も知ってるだろうし…」



「そっか。わかった」



そして私と空は門を叩いた。
ちょっとしてから中から人が出てきた。



「――はい、どちら様で…あ!!姫様に水野様!!これはこれはよくいらっしゃいました…」



「お気遣いなく…海はいるかしら?」



「はい、海様なら奥のほうにいらっしゃいますが…」



「ちょっと話があってね。奥まで通してもらえる?」



「かしこまりました。どうぞ中へ」


使用人の女性は丁寧に手を中へと差し出した。



「「お邪魔します」」



私達はそう言うと下駄を脱ぎ、中へと足を進めた。



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