桜空2
「何年の付き合いだと思ってんのよ!あたしとあんたの間に!遠慮も何もないでしょーが(笑)」
海は呆れたような笑顔を私に向けた。
「ははっ、そうだね!!」
私もつられて笑ってしまった。
――…
成宮家を後にし、また城への道のりを歩き出した私と空。
「…海様……いい人だな」
「…うん……。海はほんとに根っからのいい子だから…いつも助けられてるの」
「そうだろうな〜…いいな。桜はああいう素敵な親友さんがいてさ」
「えっ…」
「友達はこの先生きていく上で、すげぇ大事な存在なんだよ。だから桜は今の友達を大事にしろよ」
空はなぜか、少し寂しそうな表情だ。
「うん……」
そんな空に私は頷くことしか出来なかった。
この時、なんで空がこんなことを言ったのか理由を知ったのは
ずっと後のこと――…