桜空2
――成宮家を出てから、城に着いたのはもう夕方だった。
空はこの後用事があると言うので私を部屋まで送ると去っていった。
私はその後運ばれてきた食事を食べ終え、残りの仕事を片付けた。
仕事って言ってもちょっとした父の手伝いだけどね。
「ん〜…疲れた…」
私は机から離れると大きく背伸びをした。
「水もらってこようかな…」
ふとそう呟いて、私は自分の部屋を後にした。
食堂に向かうためにちょっと近道しようと薄暗い裏道に入った。
「まったく…やっぱり気味悪いわね、ここ…」
私は不満気に呟きながら暗い道のりを歩いた。
早くこんな道、抜けてしまおう。
そう思い、歩く足を早めようとしたときだった。
――グイッ!!
――!!?
いきなり後ろから腕を引っ張られ私はその場に押し倒された。