桜空2
落ち着け、桜。
私はこんな男に負ける様なヤワな女じゃない。姫じゃない。
考えるんだ、方法を。
助かる方法を――…
――あ。
私は男の腰に差してある剣を見た
男は私に夢中になり、剣など気にも止めてない。
タイミング良くあの剣を引き抜いて私の手元に置ければ…
こんな男、一発で殺れるわ。
まぁ殺しはしないけど。
私はそうっと男の腰に手を伸ばした。
――もう少し。
あと少し―――
―――やった!!
剣を掴んだ。
私はニヤッと笑うと男に言った。
「――…この…無礼者!!」
バシィッ!!
「うわあぁっ!!」
私は力いっぱい剣を男に叩き付けた。
男は尻餅を着いた。
「……この私に手なんか出しておいて…ただで済まされると思うなよ」
チャリンッ!!と鞘から剣を抜いた