桜空2
「ひっ…お許しください姫様!!私はまだ死にとうございません!!」
青ざめた顔で必死に訴えてくるバカな男。
だったら最初からこんなことしなきゃ良かったじゃない。
「――…問答無用」
「姫様っ……!!!」
――ザンッ!!
「――…う゛っ……」
男の右腕からドクドクと湧き出る血。
けど私が知ったことじゃない。
「……次は殺す」
私は低い声で呟くと剣をその場に投げ捨てた。
ちょっとやりすぎたかしら…
いいわよね!!
婚約者がいる私にあんなことしてくるあの男が悪いんだもの。
私はそう開き直ると食堂までの道のりを急いだ。