桜空2
「海……話つけてくれたんだ…」
ついに母のことを聞く時が来たのか。
まだ不安だけど。
ちゃんと受け止められるか心配だけど
もう逃げ出せない。
行くしかない。
「――…さて。着替えて行くか」
私は起き上がると寝巻きを脱ぎ、掛けてある着物に着替えた。
「――おはようございます姫様!!朝食をお持ち致しました!!」
外から元気な声が聞こえる。
「ありがとう市之助。入っていいわよ」
「失礼致します!!」
ガラッと扉が開き、朝食を持った市之助が入って来た。
「いつもありがとうね」
「とんでもございません!!当たり前のことですから」
市之助はニコッと微笑んだ。
「では失礼致しました!!」
市之助は元気良く去って行った。
相変わらず元気ね、市之助は。