桜空2
「食べたら…行くか」
私は再び座り、目の前の朝食に手を付けた。
「……美味しい」
朝食にいつも出てくる卵焼き。
なんだか母の味?みたいで私は昔からこの卵焼きが好きなんだ。
黙々と食事をし、食べ終わった。
「よし、行こ」
私は立ち上がり、部屋を出た。
――これから私の人生が変わるかもしれない話を私は聞くんだ。
私の母がどんな人だったのか
いったい何をしたのか…
私はそんなことを思いながら父の待つ、殿の間に向かう。
一歩一歩近付いてくる。
知られざる真実が。
私の運命が――…