桜空2

「――姫様、中で殿様がお待ちでございます」



「えぇ分かったわ、ありがとう。」


私は殿の間の前にいた使用人にお礼を言った。



そして――



「殿様、姫様です」



使用人がガラッと扉を開ける。



「……おはようございます、お父様」



私は目の前にいる父に声を掛ける


「おはよう桜。入りなさい」



私は部屋に入った。
使用人が扉を閉める。



「……座りなさい」



私は言われた通りに父の前に座った。



「…………」



しばしの沈黙。



早く…話してよお父様



早く……



私に真実を教えて――…



私はそう願い、父に目を向けた。


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