桜空2
「……菫は…単刀直入に言えばお前を産んだ母親だ。そして私の妻である。」
私を産んだ母親……
やっぱり…そうだったんだ…
「…菫は元々体が弱くてな。妊娠が分かった時も、お前を産むのは無理だと医者からも言われていたんだが、反対を押し切って自分の命と引き換えにお前を産んだ。そして…生まれたのが桜、お前だ。」
「…………」
私は動揺のあまり声が出せない。
お母様は…
自分の命を犠牲にしてまで
私を優先してくれたんだ。
「……確かに…菫とお前はよく似ているな。顔立ち、性格、全てに置いて。」
「おっ…お母様はっ…何がお得意な人だったの…?」
私は咄嗟に聞いた。
もしかして……
父はフッと笑みを溢すと予想通りの言葉を返した。
「殺陣だ。」
やっぱり…
お母様は殺陣がお得意だったのね……!!
「あいつはすごく殺陣が優れていてなぁ、ちょうど今のお前の様に。男になんぞ負けたことはなかったんだぞ!!」
「そう…だったのね…」
私は思わず笑みを溢した。