桜空2
「……慎様がもし、お戻りにならなかった場合…お次の将軍は誰がなさるのですか?」
私は唐突にそう聞いてみた。
さぁ…なんて答える?
「――…もし慎が戻らなかったら…その時は――…」
私はゴクリと唾を飲んだ。
「側室の女どもは沢山おります!!正室の小枝(さえ)は体が弱くて、もうお子は産めませんし…適当に女を選んで世継ぎにしますよ」
――なんて男だ、コイツは…
いったい側室をなんだと思っているの…!?
自分の正室の小枝様のことまで馬鹿にする様な物言いをして…
慎を……
実の息子を大事にするってことが出来ないのだろうか?
慎を……
小枝様を……
いったいなんだと思ってるいるんだろうか?