桜空2
「――…そうでございますか…」
私は皮肉にも言い返せなかった。
立場上……
「――まぁ姫様、本日はこの様なお話を聞いて頂きありがとうございました。私自身、とても助かりました」
「いえ…とんでもございません」
私は蓮華様を見ずに言った。
――話とは、このことだったのか…
今日、わざわざ大阪城まで来たのは蓮華様が“大事な話がある'と言ってきたからである。
父は仕事で忙しくて行けなかったから私が代わりに来た…というわけだ。
「……では私はそろそろ…」
私はスッと立ち上がると蓮華様を見た。
「あぁ、はい。わざわざ来て頂いてありがとうございました」
「いえ…それではごきげんよう」
私は一礼すると部屋を出た。
――パタン…