桜空2
「どうされたんですか?こんな所で…」
慎の切れ長のクールな瞳にじっと見つめられて思わずドキッ!!としてしまった。
「あ、ううん、ちょっと空に用事があってね」
「水野様に?なら姫様も稽古にお混ざりになりますか?」
「えっ?」
「水野様もまだ稽古中だと思われますし…姫様が稽古にお混ざりになれば皆、上達も出来ますし…」
そっか…
なら…お言葉に甘えちゃおうかな?
「じゃあ〜そうしよっかな!!」
慎は笑みを溢すと、道場の中へと私を導いた。
「皆、今から姫様も稽古に加わって下さる!!失礼のないように成され!!」
慎がそう言うとみんながはっ!!と返事をした。
もしかして…慎……
「慎…あなたもしかして…」
「はい。姫様のおかげで水野様の次に江戸城の剣士達を納めるお役目に就けることになりました」
慎はとても嬉しそうな表情をした