桜空2
彼の元恋人
――…
「……ん…」
気付くと朝になっていた。
あれ?
あのまま寝ちゃったのかな…
私は寝ぼけまなこで重い体を起こした。
ハラリと落ちた毛布に私はハッとする。
「――!!!」
落ちた毛布を見て、ふと自分が衣服を身に付けていないことに気付く。
私は慌てて落ちた毛布を体に巻き付けた。
隣から聞こえる寝息にホッと胸を撫で下ろす。
ふぅ。と息を吐き、思い出すのは昨日の記憶。
裸のままの体。
残された赤い印。
まだ全身に残る、あの全身が疼く感覚が私の胸をきつく締め付ける。
「……好きよ?」
ポツン、と呟いた一言。
恥ずかしくても、本音だから仕方がない。
隠しようがない気持ちだから――…