桜空2

「……悪いけど」



俺は腕組みをしながら彼女を見た。



「あんたの気持ちには答えられない。俺には桜しかいらねーから」


「…………」



「……じゃあ…俺、仕事戻るから」


俺は素っ気なく言うとその場を去ろうとした。



「――お待ち下さい、水野様!!」



女は俺の腕を掴んだ。



……なんだよ…まだ何か用かよ…


「……何?」



「じゃあっ…水野様が私と一緒になれないとおっしゃるなら…1度でいいんです!!私を抱いて下さい!!」



……はぁ?



俺は呆れすぎて声も出なかった。


は〜
マジダリィ、こういう馬鹿女。



一発、ガツンと言わねーと分かんねーみたいだな…



俺は再び彼女のほうを向いた。



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