桜空2
「あんたさぁ、自分の立場分かってんのかよ?」
「えっ…?」
「“姫様がいることはわかっております'とか…俺に決まった女がいるって分かってるくせに何でいちいち言い寄ってくるんだよ?」
俺は冷たい眼差しを彼女に向ける
「そっ、それは……」
彼女はあたふたと視線を泳がせる。
俺は止めを刺すように続けた。
「俺になんか気を取られてる暇があるんならもっと剣術や武芸を磨いたらどうなんだ?この城にいる限り、“姫様や殿様をお守り奉る'という大事なお役目もあるんだぞ」
「たっ…確かにそうですけど…」
「分かったらさっさと仕事に戻れよ。俺はこれ以上あんたと話すつもりはない」
俺はハッキリ言い切った。
ちょっとキツかったかもしれないけど…
これは彼女の為だ。
それにこれ以上、桜を不安にさせたくない。