桜空2
「あぁ。あいつがいなきゃ生きていけないくらい大切な人なんだ。あいつだけは失いたくない」
「…………」
俺は桜がいなきゃ生きていけない
本当のことだから。
「……そう…なんですか……」
彼女は小さく呟くと俯いた。
そして服を握っている手にポタポタと雫が落ちる。
……泣かれたって何されたって俺には桜しか見えないんだからしょうがない。
桜以外の女に優しくしたり仲良くしたりするつもりもない。
それが俺の本音だった。
「……じゃあ、俺戻るから」
机に金を置き、俺は立ち上がった
「待って下さい!!」
いきなり腕を捕まれて俺は動きを止めた。