桜空2
「……佳代…?」
「でも…っ…どうしても私、空さんのことが好きなんです!!諦められません!!」
「…………」
佳代は泣きながら俺に訴える。
――…はぁ…
お前との日々は良い思い出にしたかったのにな…
ちょっと無理みたいだな…
「悪いけど俺がお前を好きになることは決してないから。好きでいるのは勝手だけど俺は…」
「――じゃあ、あたし諦めません」
「…………」
「空さんに新しい恋人がいるのなら私…何としてでも奪って見せます。あなたが好きだから」
佳代はニッと微笑んだ。
「……俺には何しても構わない。けどあいつには何もするな。あいつには俺が守る」
俺は佳代を真っ直ぐに見構えた。