桜空2

――城。



「――水野様!!」



城に入るなり、道場にいた剣士が声を掛けてきた。



「随分遅かったですね。あの、剣術のお相手…」



「わりぃ。また今度にしてくれねーかな…ちょっと今忙しいんだ」


俺は剣士と目も合わさずに言った


今の俺にはのんきに剣術などやっている余裕はない。



突然の佳代の登場。



宣戦布告。



桜にまで被害が及ぶかもしれないという事実。



もしも桜に何かあったら…



俺はどうする……?



だからそうならないように俺が桜を守るんだ。



大事な女なんだから。



絶対に傷つけたくない女なんだから。



だから桜、安心しろよな。



お前だけはどんなことがあろうと


この俺が絶対に守って見せるから――…



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