Memory...
Prologue 白い吐息と月明かり
コートを羽織り、マフラーを巻いて外に出た。
辺りはすっかり闇に包まれている。
ひんやりとした空気がしみて、身体が微かに震えた。
季節は立冬。
今年は寒くなるのが早い。

この季節は

あたしにとって…



大きく地面に映った影を見つめてハァッと白い息を吐く。

あの日まで…あたしの隣にはもう一つの影があった。

今は1人…
あの人はどこにいるんだろうか。

…ずっと隣に居てくれるって言ったのに。

「嘘つき…」

涙が溢れ落ち、地面に染みを作っていった。

もう一回



愛し合いたいよ。

< 1 / 10 >

この作品をシェア

pagetop