7つ上の翔太先生。
「また明日も来ます♪」


と塾長のいつもの部屋を覗いた。



多田先生がいると信じて覗いたはずが、先生は私の視界に居なかった。





―――頭の中が真っ白になった。




私は即座にタイムカードを押し、階段を降りる。




先生がいつも帰っている道を勢いよく走った。



先生に会いたい。




先生に『良いお年を。』って…ただ、



それだけを伝えたかったんだよ。





だけど、神様は意地悪で……




私の幸せをどんどん奪っていく。




『待ってよ。』と言っても先生には届くはずもない言葉。





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