7つ上の翔太先生。
「最後の問題だ……」



私は先生の説明を聞きながら黙々とプリントを進めていった。



友達は途中で帰ったから、静かになった気がした。




最後の問題は…私の嫌いな連立方程式の応用問題。



「最後に…これ教えてもらえますか?」



先生は緑茶を一口飲み私の席の横に来てくれた。




「ちょっとシャーペン貸してくれる?」



と私の持っていたシャーペンを貸した。




先生の説明は…やっぱり一番わかりやすい。




先生は、自分が書いたものを消した。





―――消さなくていいのに。





心の中でそう一人で呟いた。



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